ねこやがつっつく中医学

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2025年11月02日

国際中医師試験を終えて ~7ヶ月の学びで実感した東洋医学の奥深さ~

国際中医師試験を受験しました 本日、国際中医師の試験が終了しました。   試験内容と勉強期間 試験は以下の構成でした: 5教科の筆記試験 弁証論治(実際の症状からカルテ記入) 今年の4月から学習を開始し、約7ヶ月での受験となりました。正直なところ、勉強が足りず合格は怪しいと感じています。結果が出るまで約1ヶ月半かかるとのことなので、今は静かに待つのみです。   中医学を学んで感じた3つの驚き 学習を通じて、中医学(東洋医学)の奥深さを実感しました。特に印象的だった点を3つご紹介します。   1. 五感(見る、聞く、触る、嗅ぐ)を駆使した診断技術 現代のような医療機器がない時代に、五感だけを使って以下を判別していました: 異変がどこにあるか 何があって何がないか 体のバランスの崩れ 望診・聞診・問診・切診という四診を組み合わせた診断法は、今でも中医学の根幹をなしています。   2. 自然素材を活かした薬学 中医学の薬剤(生薬)は、自然にある植物や鉱物を一つ一つ調べ上げ: 単体での効能を確認 複数の組み合わせで相乗効果を追求 目的の効果を得るための配合を研究 これが現代の漢方薬の基礎となっています。   3. 病気の本質を見極める弁証論治 中医学では病気の分類が非常に細かく: 同じように見えても別の病と判断するケース 違うように見えても同じ病と判断するケース 表面的な症状を抑えるだけでなく、病を起こした根本原因を探してアプローチする点が特徴的です。   中医学独特の身体観:経絡と臓腑 中医学では、西洋医学とは異なる身体観があります: 気・血・水の3つの要素が体内を循環 **経絡(けいらく)**というエネルギーの通り道 臓腑間の関連性を重視した全体的なアプローチ 血管だけによらない、エネルギーや水分の循環を考慮する点が、西洋医学との大きな違いです。   これからも中医学を深めていきます 試験は一旦終わりましたが、中医学の学びはここからが本番だと感じています。 お客様の健康と快適な生活につながる知識が、中医学にはたくさん詰まっていました。これからもブログを通じて、学んだことや実践していることをシェアしていきたいと思います。 今後ともお付き合いいただければ幸いです。 関連記事: 前回のブログ:【中医学を読み解く】唯物観(4)中医学における病気(疾病)の定義 タグ: #国際中医師 #中医学 #東洋医学 #漢方 #弁証論治 #経絡…

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2025年10月27日

[Understanding Traditional Chinese Medicine] Materialist View (4): How TCM Understands Disease

The “Materialist View” series has finally reached its conclusion. In this final part, we’ll explore how Traditional Chinese Medicine (TCM) understands disease — not merely as a collection of symptoms, but as a disturbance in the body’s energetic balance. Let’s take a closer look at the causes and mechanisms of illness, with a touch of…

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2025年10月25日

【中医学を読み解く】唯物観(4)中医学における病気(疾病)の定義

唯物観シリーズもいよいよ最終回。 今回は「中医学では病気(疾病)をどのように定義しているのか」について解説します。 中医学では、病気を単なる症状の集まりではなく、身体のエネルギーバランスの乱れとして捉えます。 ここでは、病気の原因とその仕組みを、現代的な視点も交えて読み解いていきましょう。 病気の原因 ― 邪気(じゃき)の分類 中医学では、病気を引き起こす要因を「邪気」と呼びます。 邪気とは、体に悪影響を与える外的・内的な力のことです。 これを大きく 外因(がいいん) と 内因(ないいん) に分けます。 外因(外邪) 外から体に影響を与えるものを「外邪(がいじゃ)」といいます。 自然界の気候変化などがこれにあたります。 風邪(ふうじゃ):風による影響。頭痛やめまいなど。 寒邪(かんじゃ):冷えによる影響。冷え性や関節痛など。 湿邪(しつじゃ):湿気による影響。体の重だるさ、むくみなど。 燥邪(そうじゃ):乾燥による影響。喉の渇きや咳など。 暑邪(しょじゃ):暑さによる影響。熱中症や倦怠感など。 火(熱)邪(かじゃ・ねつじゃ):熱による影響。発熱や炎症など。 これらの外邪は、体の抵抗力が弱まったときに侵入し、症状を引き起こすと考えられています。 七情(しちじょう)― 感情の偏りがもたらす病気 外からの影響だけでなく、心の状態も病気の原因となります。 中医学では、感情の偏りを「七情」と呼びます。 喜(よろこび)・怒(いかり)・思(おもい)・憂(うれい)・悲(かなしみ)・恐(おそれ)・驚(おどろき) これらの感情が過剰になったり長く続いたりすると、臓腑(ぞうふ)の働きに影響を与えます。 たとえば「怒りは肝(かん)を傷つける」「思いすぎると脾(ひ)を弱める」などの関係があります。 現代的にいえば、感情ストレスが自律神経や内臓の働きを乱す――そんなイメージです。 不内外因(ふないがいいん)― 生活習慣などによる病気 外因にも内因にも分類できないものを「不内外因」といいます。 たとえば、外傷(けが)、過労、睡眠不足、暴飲暴食、運動不足などです。 現代医学でいう「生活習慣病」や「ストレス起因の不調」に近い考え方です。 正気(せいき)と発病の関係 中医学では、病気になるかどうかは「正気(せいき)」の強さで決まると考えます。 正気とは、体を守る力――つまり免疫力や自然治癒力のようなものです。 正気が強ければ、邪気は侵入できない。 正気が弱いところに邪気がとどまる。 つまり、邪気があっても正気が充実していれば発症しない。 このため、中医学では「正気を高める=病気の予防」と考えます。 食事・睡眠・気持ちの安定など、日々の生活を整えることが最も大切なのです。 現代的な視点で見た中医学の病気観 中医学が成立した当時は、ウイルスや細菌の存在は知られていませんでした。 それでも、人々の観察をもとに生まれた理論は、現代にも通じる部分が多くあります。 外邪 → 病原菌や気候変化などの外的ストレス 七情 → 精神的ストレスや感情の乱れ 正気…

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2025年07月17日

Interpreting Traditional Chinese Medicine: Wùwùguān (唯物観) Part 3 – “Form” and “Shén” as the Dual Foundations of Life

Welcome to the third installment in our series on wùwùguān, or “materialist view” in Traditional Chinese Medicine (TCM). This time, we will explore the concepts of “xíng” (形), meaning form, and “shén” (神), often translated as spirit or mind. These ideas may seem foreign, especially when viewed through the lens of modern science or religious…

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2025年07月15日

【中医学を読み解く】唯物観(3)形と神|生命を支える二つの側面とは?

唯物観のシリーズもいよいよ第三回目。今回は中医学における「形」と「神」について解説します。このテーマは、現代科学や宗教観と考え方の違うところも多いため、少しわかりづらいかもしれません。中医学を体系づけた人々が、観察と実践を通じて定義した概念ということを頭に置いて読んでいただくと、わかりやすくなると思います。 あくまでも、ひとつの医学的思考モデルとして受け取っていただければ幸いです。 「形」と「神(しん)」の基本定義 まず、「形」は中医学において物質的な身体そのものを指します。手で触れられる肉体が「形」です。 一方「神(しん)」とは、形には含まれない、しかし観測可能な「生命の変化や活動」のことを指します。 たとえば目つき、顔色、声、動作といった生命のあらわれ、さらには意識、意思、知恵、感情、思考までも「神」とされます。 ここまで聞くと、「神は魂のようなもの?」と思われるかもしれません。しかし、それだけではありません。 「神」は宇宙的変化のエネルギーも含む 中医学では、天地のエネルギーの変化によって万物が生成されるとされ、このエネルギー変化自体も「神」と定義されます。 つまり、「形ある天地」に対して、「それを変化させるエネルギー」が神なのです。 さらに、人体内部のあらゆる運動変化、陰陽の相互作用による生命の営みも「神」に含まれます。 これらを総合すると、「神」とは魂や心だけでなく、「物体以外のすべてのエネルギー的変化の総称」であると言えます。 「神」と生命の深い関係性 中医学において生命とは、「精気」によって作られ、「気化作用」によって維持され、「神」によって成り立つものです。 形だけでは命は保てず、神がなければ生命は存在できません。 特に、体内のエネルギー循環(陰陽の授受)や気の運動などの「変化」はすべて神に含まれます。 つまり、「変化の停止=命の停止」であり、神とは生命の動力そのものなのです。 形と神は相互に影響する陰陽関係 神は精血などの物質的エネルギーから栄養を受けて活動します。 また、神の状態は肉体(形)にも影響を与えます。 たとえば、 精血不足によって眠気や視界の暗さ、思考力の低下が起こる(形→神の影響) 怒りが気の流れに影響し、ため息や便秘などの症状が出る(神→形の影響) このように、「形と神」もまた陰陽のように、互いに影響し合う関係にあります。 まとめ:中医学の視点から見る「生命」 中医学における「形と神」の概念は、生命とは「物体」と「エネルギー」の両方が相互作用して存在しているという視点を示しています。 この視点を忘れると、中医学の理論全体を誤って理解することにつながりかねません。 ぜひ、この関係性を心に留めていただければと思います。 次回は唯物観シリーズの最終回、「中医学における病気(疾病)の定義」について取り上げます。 ここまでお読みいただき、ありがとうございました。     ほぐし処 ねこや 住所 〒277-0042 千葉県柏市逆井4丁目24-36 アクセス 逆井駅より徒歩9分 電話番号 04-7113-4346 (10:00~21:00) 営業時間 11:00~21:00 (完全予約制) 定休日 木曜日(祝日は営業、翌日お休み) 当店facebookはこちら↓ http://bit.ly/1TqmW8d