【中医学を読み解く】唯物観(4)中医学における病気(疾病)の定義
唯物観シリーズもいよいよ最終回。
今回は「中医学では病気(疾病)をどのように定義しているのか」について解説します。
中医学では、病気を単なる症状の集まりではなく、身体のエネルギーバランスの乱れとして捉えます。
ここでは、病気の原因とその仕組みを、現代的な視点も交えて読み解いていきましょう。
病気の原因 ― 邪気(じゃき)の分類
中医学では、病気を引き起こす要因を「邪気」と呼びます。
邪気とは、体に悪影響を与える外的・内的な力のことです。
これを大きく 外因(がいいん) と 内因(ないいん) に分けます。
外因(外邪)
外から体に影響を与えるものを「外邪(がいじゃ)」といいます。
自然界の気候変化などがこれにあたります。
- 風邪(ふうじゃ):風による影響。頭痛やめまいなど。
- 寒邪(かんじゃ):冷えによる影響。冷え性や関節痛など。
- 湿邪(しつじゃ):湿気による影響。体の重だるさ、むくみなど。
- 燥邪(そうじゃ):乾燥による影響。喉の渇きや咳など。
- 暑邪(しょじゃ):暑さによる影響。熱中症や倦怠感など。
- 火(熱)邪(かじゃ・ねつじゃ):熱による影響。発熱や炎症など。
これらの外邪は、体の抵抗力が弱まったときに侵入し、症状を引き起こすと考えられています。
七情(しちじょう)― 感情の偏りがもたらす病気
外からの影響だけでなく、心の状態も病気の原因となります。
中医学では、感情の偏りを「七情」と呼びます。
喜(よろこび)・怒(いかり)・思(おもい)・憂(うれい)・悲(かなしみ)・恐(おそれ)・驚(おどろき)
これらの感情が過剰になったり長く続いたりすると、臓腑(ぞうふ)の働きに影響を与えます。
たとえば「怒りは肝(かん)を傷つける」「思いすぎると脾(ひ)を弱める」などの関係があります。
現代的にいえば、感情ストレスが自律神経や内臓の働きを乱す――そんなイメージです。
不内外因(ふないがいいん)― 生活習慣などによる病気
外因にも内因にも分類できないものを「不内外因」といいます。
たとえば、外傷(けが)、過労、睡眠不足、暴飲暴食、運動不足などです。
現代医学でいう「生活習慣病」や「ストレス起因の不調」に近い考え方です。
正気(せいき)と発病の関係
中医学では、病気になるかどうかは「正気(せいき)」の強さで決まると考えます。
正気とは、体を守る力――つまり免疫力や自然治癒力のようなものです。
- 正気が強ければ、邪気は侵入できない。
- 正気が弱いところに邪気がとどまる。
- つまり、邪気があっても正気が充実していれば発症しない。
このため、中医学では「正気を高める=病気の予防」と考えます。
食事・睡眠・気持ちの安定など、日々の生活を整えることが最も大切なのです。
現代的な視点で見た中医学の病気観
中医学が成立した当時は、ウイルスや細菌の存在は知られていませんでした。
それでも、人々の観察をもとに生まれた理論は、現代にも通じる部分が多くあります。
- 外邪 → 病原菌や気候変化などの外的ストレス
- 七情 → 精神的ストレスや感情の乱れ
- 正気 → 免疫力・体の回復力・生命エネルギー
このように整理してみると、中医学が捉える「病気の仕組み」は、今の私たちの健康観とも重なります。
唯物観シリーズは今回で一区切りとなります。
四回にわたり、中医学の世界を少しずつ紐解いてきました。
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。
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