【中医学を読み解く】唯物観(3)形と神|生命を支える二つの側面とは?

唯物観のシリーズもいよいよ第三回目。今回は中医学における「形」と「神」について解説します。
このテーマは、現代科学や宗教観と考え方の違うところも多いため、少しわかりづらいかもしれません。中医学を体系づけた人々が、観察と実践を通じて定義した概念ということを頭に置いて読んでいただくと、わかりやすくなると思います。
あくまでも、ひとつの医学的思考モデルとして受け取っていただければ幸いです。

「形」と「神(しん)」の基本定義

まず、「形」は中医学において物質的な身体そのものを指します。手で触れられる肉体が「形」です。

一方「神(しん)」とは、形には含まれない、しかし観測可能な「生命の変化や活動」のことを指します。
たとえば目つき、顔色、声、動作といった生命のあらわれ、さらには意識、意思、知恵、感情、思考までも「神」とされます。

ここまで聞くと、「神は魂のようなもの?」と思われるかもしれません。しかし、それだけではありません。

「神」は宇宙的変化のエネルギーも含む

中医学では、天地のエネルギーの変化によって万物が生成されるとされ、このエネルギー変化自体も「神」と定義されます。
つまり、「形ある天地」に対して、「それを変化させるエネルギー」が神なのです。

さらに、人体内部のあらゆる運動変化、陰陽の相互作用による生命の営みも「神」に含まれます。
これらを総合すると、「神」とは魂や心だけでなく、「物体以外のすべてのエネルギー的変化の総称」であると言えます。

「神」と生命の深い関係性

中医学において生命とは、「精気」によって作られ、「気化作用」によって維持され、「神」によって成り立つものです。
形だけでは命は保てず、神がなければ生命は存在できません。

特に、体内のエネルギー循環(陰陽の授受)や気の運動などの「変化」はすべて神に含まれます。
つまり、「変化の停止=命の停止」であり、神とは生命の動力そのものなのです。

形と神は相互に影響する陰陽関係

神は精血などの物質的エネルギーから栄養を受けて活動します。
また、神の状態は肉体(形)にも影響を与えます。

たとえば、

  • 精血不足によって眠気や視界の暗さ、思考力の低下が起こる(形→神の影響)

  • 怒りが気の流れに影響し、ため息や便秘などの症状が出る(神→形の影響)

このように、「形と神」もまた陰陽のように、互いに影響し合う関係にあります。

まとめ:中医学の視点から見る「生命」

中医学における「形と神」の概念は、生命とは「物体」と「エネルギー」の両方が相互作用して存在しているという視点を示しています。

この視点を忘れると、中医学の理論全体を誤って理解することにつながりかねません。
ぜひ、この関係性を心に留めていただければと思います。


次回は唯物観シリーズの最終回、「中医学における病気(疾病)の定義」について取り上げます。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

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