北斎の柚子健康茶、再現してみる【Part1,検証編】

さて、先日作ってみるかと言っていた葛飾北斎が書き残した柚子の健康茶。

再現してみました、が。

その前に、ちょっと気を付けなきゃいけないことがありまして。

 

江戸の常識、現代の非常識!

昔の当たり前だから書かれていないことを紐解かなきゃ、再現ができません。
ざっと考えただけでも、三つの疑問がでます。
・上等な酒ってどんな酒?
・煮るってどういう風に?
・ガスコンロがない時代の長く煮るってどうやるのさ?

 

ひとつずつ見ていきましょう。

 

上等な酒は実は熟成酒、今ほど磨かれていなかった

江戸時代、お酒は関西から運ばれてきた酒が上等なものでした。
「下り酒」といわれ、特に灘の酒が人気を博しておりました。
さらには、「九年酒」などの、熟成した酒が最上質。
ウイスキーのように、水やお湯で割って飲んでいたそうです。

もう一つ現代と違うのは、磨き率。
現代は磨きまくって余計な成分をそぎ落としたお酒が上質とされていますが、江戸時代は精米率80~90%のお米を使用しておりました。
ということは、現代の「上等な酒」は、柚子を煮るお酒ではない、ということ。
今の安酒のほうが、昔の上質に近い。
調べてびっくりの酒事情でした。

 

煮るときは蓋が必須。蓋を開けて煮詰めない。

今、煮るというと、蓋をあける人も多いと思います。
江戸時代では、煮る際には蓋が必須。煮物は落とし蓋、鍋は蓋つきの土鍋で食べるときに御開帳。
煮るとしか書いていない北斎さんの柚子薬は、蓋をして煮込むと考えていいでしょう。

長く煮るなら七輪に炭。細く長くくつくつと。

コンロのない時代、料理は竈(かまど)か七輪です。
竈はずっと薪をくべたり、風を送ったりしなければいけません。
火の勢いも強いので、少量を長く煮るにはちょっと向きません。
何より、病人が使うにはハードすぎる火です。

そうなると、もう一つの庶民の火、七輪に炭火でくつくつと煮る、が有力になります。
これなら、火の管理は難しくなく、長く煮ることができます。

 

と、いうことは、材料・道具と作り方は以下の通りになります。

 

材料:よく実った本柚子一個、お酒一合(精米率が低く、火入れされていないものが望ましい)
道具:金属ではないナイフ、金属ではない鍋(蓋つき)

 

1.柚子(昔ながらの本柚子)を金属ではないもので刻む。
種を取り除かず、白綿も取らず。すべてひたすら刻む。
2.金属ではない鍋で、あまり磨かれていない日本酒と一緒に煮る。
3.とろ火で強めのとろみがつくまで蓋をして煮る。
4.できあがったものから種を全部取り除く。
5.柚子一個量を朝晩二回に分けて、お湯で溶いて飲む。

 

というわけで、上記の条件で作ってみました。
実践編は明日をお楽しみに!

 

 

ほぐし処 ねこや

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